バブル崩壊の教訓 2022 7 15
「帳簿不況の恐ろしさ」
日本のバブル経済は1980年代、
アメリカに追いつき、
やがて世界一になると言われました。
その原動力となったのが、
株式バブルと不動産バブルでした。
しかし、1990年になると、
株式は急落を続けました。
にもかかわらず中央銀行は、
利上げを続けました。
株価急落でも、
景気はよかったうえに、
求人も好調でした。
不動産価格の高騰によって、
庶民はマイホームが買えないという世論から、
「バブル退治」が要請されました。
しかし、中央銀行の連続利上げが、
本当のバブル崩壊を作り出したのです。
株式バブルの崩壊は、
実体経済に大きな影響はなかったのですが、
不動産バブルの崩壊は、
「失われた10年」の原因になりました。
そもそも不動産を現金で買う人は少なく、
銀行融資で買うものなので、
連続利上げは不動産産業には、
大きな打撃となりました。
さらに不動産価格は永遠に
右肩上がりという経済マインドも崩壊して、
東京の一部地域では、
不動産価格が10分の1になるまで
下落が止まりませんでした。
多くの会社は、
本業とは関係のない不動産投資によって、
決算書の「資産の部」を膨らませていましたので、
不動産価格の下落は「負債の部」が過大となりました。
多くの会社は債務圧縮のために、
不動産を投げ売りして、
さらに不動産価格が下落しました。
中央銀行があわてて利下げをしても効果はなく、
債務圧縮と不動産価格の下落が連鎖して、
貸借対照表を崩壊させたのです。
21世紀になって、
アメリカと中国が日本と同じ経験をするでしょう。